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2016年3月28日月曜日

4月以降の湿布薬の処方について

4月1日からの診療報酬改定で
大きな波紋を呼んでいる湿布薬の処方枚数制限ですが
近ごろ顧問先に伺うと


「1種類につき」なのか?
「1処方70枚ということは、月に2回、3回来院すれば
 140枚、210枚 と出せるのか?」

という質問を頂くことが多いので、
今回は湿布薬の処方枚数制限についてお伝えします。


まず湿布薬ですが、経皮鎮痛・消炎剤全てを含みますので
モーラステープや、ロキソニンテープなど
処方されることの多い湿布薬は全て対象となります。


これら全ての湿布薬を合計した
1処方あたりの総量が、70枚を超えた場合

・ 処方料  ・ 投薬料 ・ 調剤料
・ 70枚を超えた分の 薬剤料
・ 処方せん料

全て算定出来なくなります。


また、4月以降 湿布薬を処方する場合は、
カルテ および レセプトに、使用量を記載しなければなりません。

記入例としては、

1日2枚 14日分  (= 28枚)

というように、総量が明確に記載してあれば問題ありません。

ちなみに、70枚を超えて処方した場合、
「疾患特性を考慮した上で医師が判断し
やむを得ず必要と認めた場合は、その理由を記載した上で可能とする」

とありますが、どういった理由を記載すれば算定可能となるのか、
疑義解釈が出ていませんので、特別な必要がない限り、
原則は1処方につき70枚以上 処方しない方が懸命です。


また、上記のように総量が明確に分かる分、部位が曖昧な記載だと
過量投与とみなされる可能性が高くなるのでは? と懸念しています。

従来は「関節炎」などと曖昧な記載であった病名についても、

膝関節なのか、肩関節なのか、左右なのか、両側なのか、等
きちんと部位を記載した病名づけを心がけてください。


湿布薬によって貼り付け箇所が違うようであれば、念の為

○○テープ 1日2枚 14日分 両肩 
○○テープ 1日2枚 14日分 両膝

というように、部位まで記載すると完璧です。


このように考えると、たとえ1処方70枚だからと言って、
再診のたびに70枚、70枚・・と処方し、
月間210枚! などという処方は、
病名づけだけを見てもおかしい、あるいは
病名から察するに限界がある、
ということがお分かり頂けるかと思います。


患者さんには早めにアナウンスをして、
よくご理解いただけるようにしましょう。


トヨムラ医療総合研究所
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