最新の医療業界情報・各種法律改正・レセプト算定・労務管理からスタッフにちょっと役立つ情報まで、トヨムラ医療総合研究所のスタッフが配信いたします。

2017年3月24日金曜日

頓服処方は10日まで

確定申告も終わり、顧問先の医院にはこの時期
レセプト件数や総点数・平均点数の前年比をまとめた
レポートをお渡ししています。

それを見ると皆さん驚かれることが多いのですが、
実は保険診療の件数は 2・3月がピークになる医院がほとんどです。

また10年を超えても件数が増加している医院は、
勿論近隣の医院が廃業したという事例も中にはありますが、
医療機器を新しくしていたり、H.Pの更新がマメであったり
予約システムを取り入れたり、看板の場所を見直したりと、
常に進化を止めない医院が多いように思います。

待合室のスリッパや、ソファに汚れはありませんか?
端が擦り切れたりしていないでしょうか?
常に患者目線で、進化し続ける医院を心がけましょう。


さて、今回は保険請求でご注意頂きたい事例です。


処方薬に 内服・頓服・外用とあるのはご承知の通りかと思いますが、
医科のレセプトにおいて
内服は 21番コード
頓服は 22番コード
外用は 23番コード で記載します。

しかし時折、22番コードの頓服で ×14日 処方など、
一瞬内服ではないか?と思われるレセプトを見かけます。

医師の指示か、事務の入力ミスかは分かりませんが、
当方より指摘しても、そのまま提出されるケースも稀にあります。

しかし、先日某クリニックの返戻レセプトにより
国保連合会の見解で

「頓服の処方は10日までとなっております」
と記載のある事例がありました。

該当のクリニックは返戻で済んだので良かったのですが
県によっては、即査定となる事例ではないかと思います。

処方する院長にお気を付けいただくのは勿論のこと
医師の指示が頓服で10日以上で出ていた場合、
医師に確認出来るよう、注意しましょう。



2016年12月7日水曜日

雇用保険加入が65歳以上に適用拡大されます

週の所定労働時間が20時間以上の労働者は
原則、雇用保険への加入が必要ですが
これまで、65歳以上の従業員は
雇用保険への加入が出来ませんでした。

しかし来年、平成29年1月1日以降

雇い入れ時に65歳以上の労働者

現在在職中だが、65歳以上のため加入していない労働者

についても、加入手続きが可能となりました。


ただし、経過措置として

雇用保険料の徴収は、平成32年3月31日まではありません


事業所内で65歳以上の労働者を雇用している場合、
平成32年4月1日以降に対象となる者がいないか、
改めて確認をお願いいたします。


なお補足までに、各種保険の年齢制限を記載しておきます。


【事業所からの徴収 年齢制限】


・ 雇用保険 = 現行 65歳まで

・ 健康保険 = 75歳の誕生日前日まで

・ 介護保険 = 65歳の誕生日前日まで

・ 厚生年金 = 70歳の誕生日前日まで


給与からの控除ミスがないよう、留意されてください。




2016年11月15日火曜日

年末調整・確定申告にはマイナンバーが必要です


今年も早いもので、年末調整の時期が近づいて来ました。

当社で年末調整を行なっている顧問先には
現在 ①扶養控除等申告書 ②保険料控除申告書
を配布しています

11月末日までにとりまとめて、
当社スタッフへお渡し頂くか郵送をお願いいたします


さて、その年末調整に必要な①②のような書類や、
個人で確定申告をする場合、
今年からマイナンバーの記載が必要になりました


【国税庁 参考資料】

https://www.nta.go.jp/mynumberinfo/pdf/mynumber_gensen_hotei.pdf


従って事業主は、常勤パート問わず従業員全員に
マイナンバーの提出をお願いしなければなりません

事業所で年末調整を行なわない従業員も同様です

各市町村に提出する給与支払報告書など、
他の税務関係の書類に、在籍している従業員全員の
マイナンバーを記載しなければならないので、
他の事業所で働いている・いない
当事業所で年末調整をする・しない

に関らず、必ず全員提出をお願いしてください

(ちなみに各従業員に配布する本人用の源泉徴収票には
マイナンバーは記載されませんのでお気をつけください)

なお法人事業主は、給与支払者として
法人番号の記載が必要になりますが、
稀に「法人番号はどこに行ったかな?」とご質問頂くことがあります

でもご安心ください

法人番号はインターネットに公開されているので
いつでも検索が可能です

【法人番号検索】
http://www.houjin-bangou.nta.go.jp/

是非一度試してみてください



2016年10月1日土曜日

デパス・アモバンの投与日数制限にご注意ください


2016年9月、厚生労働省より以下の政令が通達されました。


麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を
指定する政令の一部を改正する政令


要約すると、今まで投与日数制限のなかった

エチゾラム( 代表製品名:デパス )
ゾピクロン( 代表製品名:アモバン )

1回の投与日数を30日迄に制限する
という内容になっています。


施行日は、 今月10月14日(金) からです。

この日より、デパスとアモバンは、
向精神薬扱いとなります。


細かい事を申し上げると、10月14日(金)以降、
デパスとアモバンは
「麻薬および向精神薬取締法」の規制対象となるため、
医師から処方された本人が入国する場合を除いて
一般の個人が入国することは禁じられますし、
違反した場合には処罰の対象となります。

また実務的には、処方制限を事前に患者に
インフォメーションする必要があるほか、
向精神薬扱いとなるため、当然
原則鍵のかかる場所での保管をする必要があります。


知らずに処方してしまうと、確実に査定対象となりますので
処方元のクリニックは勿論、
調剤薬局でも、疑義照会を徹底されてください。




2016年9月8日木曜日

返戻・査定事例 再度クレナフィン外用液です

夏季休暇が明け、ようやく仕事!というモードですが、
台風の予報が多かったことと、目だった流行病がないため
8月下旬から来院数の少ないクリニックが増えているようです。

これからまた冬場に向けて予防接種なども始まります。
余裕のあるこの時期こそ、
保管期限の過ぎたカルテやレントゲン、伝票の整理など
時間を見つけて行なえると良いかと思います。


さて、今回はレセプトの査定事例です。
以前にも記事で取り上げた

クレナフィン爪外用液

前回は処方単位による査定でしたが、
今回は他院で、適応に関する査定がありました。


クレナフィン爪外用液 3.56g  590点→0

理由は、A:療養担当規則等に照らし
医学的に適応と認められないもの


クレナフィンの適応は爪白癬ですが、
当該医院のレセプトに「爪白癬」病名はきちんとついており、
何がいけなかったのか?という問い合わせでした。

事務スタッフの言うとおり、レセプト病名には爪白癬があり、
3.56g ということは1本ですので、処方量も問題ありません。

そこで添付文書を見てみると、こんな記述があったのです。


<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.直接鏡検又は培養等に基づき爪白癬であると
確定診断された患者に使用すること

まさかと思って該当月のレセプトをチェックすると、
確かに当月、爪白癬の病名はついていますが、
それに伴う検査はなし。

「確定診断がされていないのに処方した」
ということが査定理由だったのだと分かりました。


このような場合、通常再審査請求は不可能ですが、
他院(例えば皮膚科)などで爪白癬の診断を受けていた、
というコメントを入れれば、検討の余地はあるかもしれません。


当社で使用している薬価本には、
確定診断後処方という記載はなかったので、
改めて添付文書の大切さを知らされた出来事でした。


皆様も是非ご注意ください。

2016年9月1日木曜日

配偶者控除がなくなるって本当?


以前より議論されていた「配偶者控除の撤廃」について、
2017年度税制改正で検討することが発表されました。

働く主婦パートさんが多い医療機関では、
今後パートさんの働き方に大きく左右する問題です。
今一度、制度のおさらいと、
今後の方向性を見ていきましょう。


現行の「配偶者控除」は、結婚している夫婦の世帯において
扶養の対象となる妻がいる場合、夫の所得税が安くなる、
という制度だということは、ご存知の方も多いかと思います。

扶養の対象となる妻 に該当するのは、年収103万円未満、
この場合夫の収入から控除される金額は、38万円 です。
これがいわゆる、103万円の壁 に該当します。

しかし勘違いしている方も多いのですが、
「控除」というのはあくまでも 
課税される額から38万円分を引ける
というものであり、
収める税金が丸々38万円安くなる というわけではありません。

例)  課税所得が338万円の場合
  338万円-38万円 = 300万円に対して課税
  という考えになります。


分かりやすく説明すると、概ね以下の図のようなイメージです。
                     ※画像がとらばーゆcolmunより抜粋

                   

妻が年収103万円以上になると、
夫の手取り年収が減ってしまうことを懸念して、
勤務調整する主婦が多い、というのが現制度です。

しかし政府としては、税収を上げたいのが目下の目標ですから、
新たに「夫婦控除」というものを導入して、
妻の年収にかかわらず、夫からは一定の控除を適用し、
妻には制限なく働いてもらう、という制度を検討しています。


こうすれば、103万円の壁を気にせず働く主婦が増え、
結果的に夫だけでなく妻からも、所得税が徴収でき
国としては税収が増えるわけです。

この制度は、借金だらけのわが国において、
財務省の長年の悲願であり、導入は前向きに検討されるでしょう。

早ければ2018年1月から導入される「夫婦控除」。
慌ててシフトを増やしたい!と思っても時既に遅し・・
ということがないように、パート主婦の方は今から働き方を検討しましょう。



2016年8月5日金曜日

レセプト返戻・査定事例 クレナフィン爪外用液

毎日暑い日が続いていますが、皆さん体調など崩されていませんか?

当社も今週までは8月のレセプト点検に追われていました。

その中で、査定となった事例がありましたのでご紹介します。

今回の事例は、調剤薬局さんもご注意いただきたい事例ですので
是非ご参考になさってください。



クレナフィン爪外用液  8g  薬剤料 1,326点

を処方したところ、

社会保険診療報酬支払基金より、

クレナフィン爪外用液 7.12g  薬剤料1,180点

と査定がありました。

理由はB:療養担当規則に照らし、医学的に過剰と認められるもの



クレナフィンは爪白癬に適応があり
1日1回罹患爪全体に塗布する外用薬です。

1本 4ml  ですが、7.12gに査定とはどういう意味か?
と、当社のレセプト点検スタッフも一瞬戸惑いました。


そこで製品概要を見て、初めて謎が解けました。



外箱を見ると、クレナフィン 3.56g(4ml) 

と記載があったのです。


恐らく先生か事務サイドで処方薬を入力するときに、

1本4ml を2本だから、 8ml 

と判断して、規格単位を気にすることなく、
あるいは気付いていたけれど同じで良いと思って、
8という数字を入力し処方してしまったのでしょう。


しかし、このクレナフィンの規格単位は g (グラム)。

従って、 1本3.56g 、 2本で 7.12g

と処方しなければならなかったのですね。


このような事がないようにするためには、
今まで使用していなかった薬を新たに処方するときに
朝礼などで院長からスタッフへ申し伝えをするとか、
情報共有をしなければならないと思います。

そして処方先の薬局さんにも、
是非疑義照会をしていただきたかった事例です。


非常に複雑なケースではありますが、
このクレナフィンについては記載がややこしい事もあり
当社の顧問先に限らず、査定例が出ているようです。

ご注意ください。